鉄道各社が保育施設作りに注力 駅近で人気、沿線の魅力拡大(産経新聞)

 駅ビルや高架下など駅の近くで、鉄道会社が保育施設を整備する動きが広がっている。待機児童数が増加し続けていることに加え、鉄道会社にとっては、子育て世帯が住みやすい環境づくりを進めることで沿線の魅力をアップさせる狙いがあるようだ。(森本昌彦)

 ◆徒歩5分以内

 「鉄道会社にとっては沿線に住んでいただくことが重要。その一つの手段が保育所の整備で、子育てできる環境をつくることが地域との共生と考えています」

 沿線に34カ所(今年4月1日現在)の保育施設を整備しているJR東日本(東京都渋谷区)の事業創造本部課長、松沢一美さんは語る。同社では平成8年、国分寺駅近くに認可保育園「国分寺Jキッズステーション」(国分寺市)を開設。16年からは埼京線を「子育て応援路線」として積極的に保育施設整備を進めてきた。同社直営ではなく、自治体や地元との調整、場所の選定などをJR側が行い、保育事業者などが施設を運営する形を取っている。

 いずれの施設も駅から徒歩約5分以内。中には駅ビル内や駅に隣接した商業施設に入居するケースもある。子供を預かる時間も一番早い施設で午後7時半まで、一番遅い施設では午後10時までと、働きながら子育てする人に配慮。駅近くで人の行き来が多いため、防犯カメラを設置するなどセキュリティーに気を配る。同社は30年には60カ所の設置を目指している。

 ◆定員を上回る

 他社も同様の取り組みが進んでいる。待機児童問題を解消することで沿線価値の向上につなげようと、東急電鉄(渋谷区)は15年、大岡山駅近くに認証保育所「パレット保育園大岡山」(大田区)をオープン。今月開園した高津駅近くの施設で5カ所目だ。同社の場合も近い施設では駅舎内、遠い施設でも駅から徒歩5分以内と、抜群の利便性を誇っている。

 施設の整備は同社が行い、運営は教育サービス事業を手掛ける理究(横浜市)が担当。同社総務部開発担当課長の秋本康治さんは「駅から近いということで利便性を感じている保護者が多い」と話す。5園で定員は220人だが、ほとんどの園が定員を若干上回る人気だという。

 今年から新たに保育所の整備に乗り出すのは西武鉄道(埼玉県所沢市)。東久留米駅の駅ビルに6月開園予定の施設を皮切りに年間2〜3施設、5年間で10施設の設置を目指している。

 東急電鉄も今後、開園予定の施設があり、送り迎えに便利な駅近の保育施設はさらに増えそうだ。

 ■認可保育園の待機児童は最多の4万6058人

 厚生労働省によると、認可保育園への入園を待つ待機児童の数は平成21年10月現在で4万6058人。現在の方式で統計を取り始めた13年以降では最多という。

 20年10月の4万184人と比較すると5874人増。21年4月(2万5384人)からは2万674人増えているが、4月が保育園に空きができて入園しやすいことなどから、10月は4月の2倍前後に増える傾向にあるという。

 政令市や中核市を除く都道府県別で最も多いのは東京都(1万1436人)。政令市では横浜市(2414人)が最多だった。

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